001 ルシア・ベルリン「虎に嚙まれて」TigerBites.

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虎に嚙まれるとなるとタダではすまないが、耄碌してきたウチの犬も、最近は慌てることがあると誰かれ構わず嚙むことがあって、それは私も例外ではないので、やっぱり注意が必要だ。

群像六月号の目玉のひとつにルシア・ベルリンの訳し下ろし三篇がある。

本日はお休み、外は大雨且つ警報。ということで、子守執筆子守読書子守子守というルーティン。で、読書は「虎に嚙まれて」。メキシコでの堕胎手術がテーマ。私も堕胎について短編を書いたことがある(もちろん世に出てない)。切り口も毛色も全然違うけれど。ルシア・ベルリンのそれはどこかパンキッシュなユーモアがあって、それが乾いた土地の埃っぽい笑いになり、重い主題にも関わらずカラリとした明るさがある。ま、いっか的な軽やかさがこの人の魅力なんだろうなぁ、なんてこと考えて、ベッドに寝そべって読んでいた私が起き上がると、一緒に寛いでいた犬が驚き、私の太腿をがぶりと噛んだ。ほんとです。

扉絵のルシアがこっちを見てニヤけてる。

ルシアBベルリンは「虎に嚙まれて」松永K三蔵は犬に嚙まれた、というわけだ。