小説TRIPPER 2021秋号 文芸季評で「カメオ」を取り上げて頂きました。

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季刊文芸誌 小説トリッパー 中村真理子さんの文芸季評 「絶望の衝撃と希望のケア」で、拙作「カメオ」が取り上げられた。ありがとうございます。

眩しい。いい表紙。

一部引用。

“可能性を強く感じた異色作”

“カメオォォー!と叫びたくなる”

例のごとく良いところだけ紹介。

異色作。

確かに「カメオ」は純文の作品としては異色かも知れない。少なくとも純文の新人賞向きじゃないだろうと思っていた。これは勝手に誇張された幻影なのかも知れないけれど、応募者にとって新人賞とは“面妖”なもので、そこには実験性が求められたり、過剰さ、新奇さを期待されているんじゃなかろうかといろいろ推測してしまうわけだ。それは主題であったり文体の試みであったり。

それからすると、「カメオ」はひどく“普通”なのだ。平凡。ただの物語。それは却って異色なのかも知れない。それだけに私の中では「カメオ」で賞を頂いたことは意味深い。純文学って何? そんな問いには、最もシンプルで平易な言葉で答えたい。グッとくるもの。だから、おもしろくてグッとくる。なんだかどこかで聞いたようなキャッチコピーだが、私はそんな「物語」を書いていきたい。

あと、“叫びたくなる”

ありがたい。グッときたら叫びたくなるよな。私もだ。書きながら何度も叫けんだ。大学の文学部の友人は、娘たちとお風呂の中で叫んでくれたらしい「カメオォォー!」