2/14 神戸新聞 随想 3回目「ルートがわからない」

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随想の三回目を書かせていただきました。

ルートがわからない。人生、目指すところはあってもそのルートはわからない。

就職活動に際して、キャリアプラン、あるいは自分ライフプランなるものを作るように指導された。皆、思い思いに好き放題、いや、適度な慎みとささやかな野心と、有体の希望をもってそれを作成するのである。つまり、25歳くらいに〇〇資格取得やリーダーに昇格や、28歳で結婚、30歳で子ども、家を買う、35歳で……。

それに合わせて仕事を択ぶ、あるいは会社を択ぶなどというものだ。

私も素直にそれをやりながら気づいた。この先どうなるかはもちろん誰にもわからない。しかしただひとつだけ確かなことがある。今、この、自分が作成しているライフプラン。この通りだけは絶対にならない。私はそれを作るのをやめた。

とりあえず自分の目指すもの、それだけを見て、恐れず、ただ真っ直ぐに進もうと思った。ひどい目に遭うこともあるだろうが、妙な小細工はやめようと思った。

松永K三蔵