052 関西学院ブランドサイト『Mastery for Service』にインタビューを載せていただきました。愚かなる奇妙な半生。

posted in: 日乗 | 0

関西学院(かんせいがくいん)には「Mastery for Service」というスクールモットーがある。それぞれの学校にはあると思うのだが、その浸透はどのくらいだろうか。正直、他校のことはわからないが、関学の学生への浸透率はかなりのものだろう。たびたび歌うことになる校歌の歌詞にもあるからか、知らぬ学生はいないだろう。

「Mastery for Service」直訳すれば「奉仕への熟達」。ま、そもそも奉仕ってなんだろう。なんて、それは含蓄のある言葉だ。

ついに関学、最近そのブランドサイトを作った。

サイトでは同窓生が、そんなスクールモットーへのそれぞれの想いを答えている。

私もタイミングよくお声がけいただいた。ありがとうございます。

https://mfs.kwansei.ac.jp/message/ms105/

在学の頃から卒業、そして現在に至るまでの半生もインタビューしていただいた。めちゃくちゃな半生だ。

まず私は小説のことしか考えておらず、それに合わせて就職も、仕事も考えていたので、当然におかしくなる。

案の定、内定はなく、進路は「不明」のまま卒業。その後、大学学生課からたまに問い合わせの封書が来たが、毎回それに回答しなかった。

そろそろいいだろうか。

そう思ってみたが、どうだろう。芥川賞をいただいて、ついに依頼が捌ききれず、このままでは勤め先に迷惑がかかる。その時点ではまだバレてなかったが、もういい加減バレる。そうなればもうめちゃくちゃになりそうだ。そんなことで職場にはバレないまま私は退職した。(奇跡 受賞せて半年間バレなかった)

インタビューを読んでもらえればわかるが、散々失職の危機を乗り越えて、やっと「小説家」と呼ばれるようになって、しかし結局、失職することになるとは皮肉なものだ。となると、あ、やっぱり回答できなくないか? 小説家なんてものは職業というよりは、なんというか看板みたいなもので、別に資格があるわけでなし、誰でも勝手に名乗れるわけだ。

考えてみれば私は無職だ。小説を書いたり、何か文章、あるいはお話をさせてもらってお金をいただく。それで果たしてどうなるのだろう。わからん。ま、私も氷河期をサバイブしてきたので、なかなかタフではある。なんとかなるだろう。

それでインタビューで、略歴を求められ、考えた。他の人のを見た。やはり華々しい経歴の方が多い。「−−2025年より現職」なんて社会的に立派なお立場だ。落伍者の私はどうしても真似できない。なんだかすごい。ならば私ような無職が紛れ込んでいた方が学生も安心するだろう。ロクでもない奴もいた方が豊かだ。

なので「無職」で出した。無職で卒業し、また無職て還ってくるというのは収まりがいい。(ブランドサイトだから一応お伺いしたがOKがでた)現代のシン戯作派を自認する私としては、とにかく読む人が楽しんでもらうのが一番。

松永K三蔵