003 「下世話な話」のつづき

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歴史ある五大文芸誌の新人賞受賞の言葉で、過去これまで、賞金、つまり賤しくも(下世話な)カネの話をした例があっただろうか? たまに、そのあたりに妙に詳しい人もいたりするが、私は知らない。

半世紀以上続く純文学の賞だ、やはりそこは高踏的なカッコいい言葉で、バシッと決めるべきだったんだろうけれど、私としては一番の功のあった飼犬に触れないわけにはいかなかった。

もしかすると受賞の言葉は、「群像」の公式HPにそのうちあがるかも知れないが、勝手に転載するわけには行かないので、読んでない人はバックナンバー(2021年6月号)でチェックして欲しい。※編集部の許可をとって「掲載・出版」から読めるようになった(2023年4月)

とは言うものの、なかなかそうもいかないだろうから、カンタンに内容を説明すると、私は受賞の言葉で、「下世話な話だが」と、いくらか貰える賞金で、本作のネタ元の飼い犬に(取り分として)高級スーパーでササミ肉を買ってやると宣言したわけだ。

「とかなんとか言ってもどうせ口だけで、結局は犬の取り分もガメてんだろ?」なんて疑惑を封じる為に、今回は件のササミ肉レポをする。

成城石井? いやいや、関西で高級スーパーと言えば、イカリスーパーだ。関西圏以外の人には馴染みがないだろうから分かりやすく言えば、コープには「コープさん」なんて親しみを込めて「さん」づけをするが、イカリスーパーとくると、「さん」づけでは済まされない。まぁ、つけるなら、イカリ様だ。

最近(2021.6)ネットで話題になった「よく使う関西のスーパーマーケットを分類してみた(改)」でも、やはり頂点に君臨するのは「ikari」だ。「富裕層御用達」の更に上、「特権階級」と書いてある。

イカリ様。写ってないが、巨大なホンモノ?の錨が店の前に据えてある。

最近はスーパーでお買い物をしても、袋をくれなくなって、お金を払って買って、もちろん自分で袋詰めをしなければならないが‥‥‥。そこにくるとイカリ様は違う。

袋もくれるし、必ずでは無いが大抵、レジ担当の人とはまた別の人が、買った商品を袋に詰めてくれる。

約束の、桃色にツヤツヤ光るササミ肉だ。

俺は。ボイルす。る。

ボイル。ハードに。ハードボイルドだ。

食えよ。思う存分。お前の取り分だ。

さすが高級(店の)肉。

脇目も振らずに食らいつく。

おい、うまいか? おい! どうだ?

「何だよ!うるせェーな!」とばかりに一度は振り向いたが、肉にガッツく彼が二度と此方の呼びかけに、振り向くことはなかった。

006 Clanpy penco クリップ

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クランピーのペンコなのか、ペンコのクランピーなのかは、ちょっとよく分からない。

ネタが尽きた訳ではない。私の道具函の中にはまだまだいろいろある。

これはPC推敲に必須の道具。

印刷した原稿に赤を入れ、その修正をまたPCで打ち込んで行く際、このクリップで原稿をPCのベゼルに固定する。

こんな感じ。

書見台でもいいけれど、もちろんクリップの方がお手軽で、且つ原稿とPC画面の目線の往復距離も最短に抑えられ、長い距離を右左右左キョロキョロキョロキョロして酔うこともない。

それから、あまり行儀は良くないが、食事しながら、本を読む時のページ押さえにも使用できる優れもの。

もちろんデザインも◎

005 Olympia タイプライター 西ドイツ製

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知り合いの自転車乗りに、欧州の古道具を輸入販売している仲間がいる。

彼に頼んでブリュッセルのアンティークマーケットで探して貰った一品。手書きした初稿を清書するのはコレ。

ハンチング帽から癖っ毛がはみ出す、ニコリともしない無愛想な親爺から買ったのだと言う。箱もつけてやると言うので、数年前に中身ごと買い取ったという倉庫にまで付いて行き、中のガラクタも見せてもらったらしい。

このタイプライターは、倉庫の奥で使われず、箱に梱包されたままだったとか。

おそらく、これを見つけた親爺は、箱にかぶった埃を、プゥーッと息で吹き払っただろう。そしてそれが、そのままこいつの「命の息吹」になったわけだ。

少々値段はしたが(高性能モバイルPCが軽く買える)それでも現役ならば致し方ない。

神戸市兵庫区にある専門業者で、筐体の磨き上げと、キータッチの調整に、更にフレンチのコースが食べられるくらいの費用がかかった。

.

……。

そんなわけはない。

全て創作。嘘。

今回は冗談。

これはただのお話です。

002 遅れてやってくる

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コロナ禍で、新人賞の受賞式は無いのだという。私は優秀作で、つまり佳作で拾われたのだけれど、当選作と優秀作。これが字面でもよくわからない。セッカチな友人は、私の方が「優秀」なんだと勘違いしていたが、ま、それはそのままにしておこう。

「群像」六月号の目次。当選二作(どちらも素晴らしい。未読の方には是非読むことをおすすめしたい)のヨコに、拙作「カメオ」も優秀作として載せて頂いたわけだが、最近は「鈍器」と形容されるほどに分厚くなった「群像」。それでも六月号の誌面には余裕がなく、掲載は七月号になると言うことだった。私が駄々をコネると、ますます背幅が拡がって、「鈍器」はいよいよ「箱」になりかねない。それはマズい。

号が変わろうといいじゃないか。いや、全然構わない。いえいえ、ありがとうございます。しかしそれはまた、なんだか受賞式に遅れ、緩んだネクタイで慌ててやって来た感がある。

いや、しかしちょっと待てよ。六月、七月。それならば、二か月連続で雑誌に私の名前が載ることになる。記憶はとにかく反復だと言うから、これは僥倖。

というわけで「群像」七月号 6/7発売です。

拙作「カメオ」も、立ち読みすると脚が痺れてくるくらいの長さはあるので、皆さん、是非、本屋さんで「群像七月号」買って下さいね。

004 PILOT CUSTOM HERITAGE912 PO

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主に手帳の記入などに使用。カスタムヘリテイジ。名前が良い。

万年筆の極細字と言えばEF(エクストラファイン)トメハネのある日本語を書くならコレに限ると思ってるんだけど、更に細いやつがいる。

PO(ポスティング)超極細字。というか、これはもう特殊ペン先になるらしい。鳥の嘴みたいに、こんなカタチになっている。

床に直撃した不運な万年筆みたいだ。

以前カクノを落としてこんな感じになった。でもPOにはならなかったので、やっぱりそんな単純なもんじゃないのだろう。因みにそのカクノのペン先は強引に戻して、もちろん現役。

これ、物凄く引っかかりそうだが、意外に違和感なく書ける。小説初稿の勢い書き(乗ってくると石原先生風に乱れて解読不能)には流石に向かないが、基本的には書きやすい。

難点はちょっとデカい。もっと短い軸でPOが欲しかったが、ラインナップに無かったか、高額だったか。短い軸で、安価にPO出してくれたら最高なんだが‥‥‥。

003 Premium C.D. NOTEBOOK 紳士なノート

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アピカ製。万年筆で書く為の最高なノート。

インクにもよるけれど、滲まず、裏抜けも無い。滑り過ぎず掛かり過ぎず、素晴らしい書き味。

枚数もしっかりあって、且つフラットに全開きできる(糸掛かり綴じ製本)。丈夫。ほんと最高。

写真は、A5サイズの創作ノート(ネタ帳)

手書きの初稿用には、B5サイズを使う。

 

皆さんも、このデジタル時代に「紳士なノート」と「kakuno」で、万年筆デビューはいかがだろうか。雑記帳でも日記でも、書くことが楽しくなりますよ?

001 ルシア・ベルリン「虎に嚙まれて」TigerBites.

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虎に嚙まれるとなるとタダではすまないが、耄碌してきたウチの犬も、最近は慌てることがあると誰かれ構わず嚙むことがあって、それは私も例外ではないので、やっぱり注意が必要だ。

群像六月号の目玉のひとつにルシア・ベルリンの訳し下ろし三篇がある。

本日はお休み、外は大雨且つ警報。ということで、子守執筆子守読書子守子守というルーティン。で、読書は「虎に嚙まれて」。メキシコでの堕胎手術がテーマ。私も堕胎について短編を書いたことがある(もちろん世に出てない)。切り口も毛色も全然違うけれど。ルシア・ベルリンのそれはどこかパンキッシュなユーモアがあって、それが乾いた土地の埃っぽい笑いになり、重い主題にも関わらずカラリとした明るさがある。ま、いっか的な軽やかさがこの人の魅力なんだろうなぁ、なんてこと考えて、ベッドに寝そべって読んでいた私が起き上がると、一緒に寛いでいた犬が驚き、私の太腿をがぶりと噛んだ。ほんとです。

扉絵のルシアがこっちを見てニヤけてる。

ルシアBベルリンは「虎に嚙まれて」松永K三蔵は犬に嚙まれた、というわけだ。

002 PILOT kakuno EF クリア軸

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カクノ。1,000円。安価だからと侮る勿れ。

素晴らしい万年筆。

透明軸だからインク残量もわかる。

ガシガシ使える。黒インクも入れて何本かあるけれど、メインでは、この赤、青インクの二本。

手帳の書き込みと、原稿の推敲に使用。

赤インク PILOT色雫 紅葉

青インク PILOT色雫 天色