名探偵コナンの脚本を手掛ける脚本家の梶原阿貴さん。そして映画『桐島です』の脚本家でもある。連続企業爆破事件に関わった桐島聡の潜伏生活を追った映画だ。梶原さん自身と桐島の共通点……。
それは梶原さんにしか書け得なかった脚本。
それがよくわかるのが本書だ。

これは梶原さんの自叙伝だが、それは「普通」の自叙伝ではない。

実在の人物たちだが、かなり個性豊か。
決して楽な生活、暮らしではないが、なぜだか明るい。そしてわかって爽やか。それは強さだろう。
物語としてとても面白く読めるし、梶原さんの脅威の記憶力! あの昭和時代が克明に描かれる。それも読みどころ!
ぜひ読んでみてほしい。
松永K三蔵

