000 われに五月を

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群像六月号が来た。われに五月を

みどりに光る青春の爽やかさも無くし、もはや空に吸われるような軽ろやかなココロなどあるはずもなく、吸った空の方で咽せ返るような、そんな渋みを多分に含んだ歳になってしまったが、このみどり色の季節は、私にはより明るい色の季節になった。そうして五月生まれの詩人の、そんな詩句がふいと浮かんだ。

葉叢の中に身を沈め、緑青の光を肺いっぱいに吸い込みたい気分だったが、城春にして、草木ふかしなんて、ぱったりと全身をあずけられる適当な原っぱもないので、それは「群像」六月号に代わってもらった。