知り合いの自転車乗りに、欧州の古道具を輸入販売している仲間がいる。
彼に頼んでブリュッセルのアンティークマーケットで探して貰った一品。手書きした初稿を清書するのはコレ。
ハンチング帽から癖っ毛がはみ出す、ニコリともしない無愛想な親爺から買ったのだと言う。箱もつけてやると言うので、数年前に中身ごと買い取ったという倉庫にまで付いて行き、中のガラクタも見せてもらったらしい。
このタイプライターは、倉庫の奥で使われず、箱に梱包されたままだったとか。
おそらく、これを見つけた親爺は、箱にかぶった埃を、プゥーッと息で吹き払っただろう。そしてそれが、そのままこいつの「命の息吹」になったわけだ。
少々値段はしたが(高性能モバイルPCが軽く買える)それでも現役ならば致し方ない。
神戸市兵庫区にある専門業者で、筐体の磨き上げと、キータッチの調整に、更にフレンチのコースが食べられるくらいの費用がかかった。
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‥
…
……。
そんなわけはない。
全て創作。嘘。
今回は冗談。
これはただのお話です。