小説トリッパー春季号 文芸季評に「バリ山行」を取り上げていただきました。”愉快なサンゾウ”

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小説トリッパー春季号の文芸季評に「バリ山行」を取り上げていただきました。評者の中村真理子さん、ありがとうございました。

とてもわかりやすくまとめていただき、また読みたくなるような評を書いていただいた。

小説トリッパーは季刊の文芸誌なので、文芸時評も月評ではなく季評。冬シーズンの中から幅広く採られる。今回、評で隣になったのが「世紀の善人」(すばる)の石田夏穂さん。

「世紀の善人」は未読で申し訳ないが、どうやら作中に「サンゾウ」という記号を附された人物たちが出てくるらしい。(作中の会社名三國造船、略して三造か)前時代的価値観の権化のような「サンゾウ」たちは観察され、解体されて様々なる意匠に腑分けされていくらしいが(違っていたらスマン)そんなバリエーションの後で、そして「こちらは愉快なサンゾウこと松永K三蔵」と拙作の評に繋げる。これを中村さんはやりたかったのだ。私も思わずニヤリ。これは嬉しい。私は愉快な人間らしい。

私とて、できれば沈鬱な面持ちで、カッコよく、そう群像なら例えば「風の歌を聴け」とか「限りなく透明に近いブルー」(当初のタイトルは違うらしく、とてもここでは書けない)とか、そんなカッコいいタイトルでデビューしたかったが、私のデビュー作は「カメオ」ですからね。(あまりアテにしてなかったので、まさかとは思ったが、「カメオ」を群像に送る時、ふとよぎったのだ。万々が一、これでデビューしたら、俺、デビュー作「カメオ」になるんだ‥‥と)

まぁ、それも運命(さだめ)だが、いずれにしても私は愉快な人間だ。なので嬉しい。ありがとうございます。

小説トリッパーの表紙っていいですよね。